mahorobaの精神科訪問看護とは
精神科訪問看護とは精神疾患やこころの不調を抱えられた方が「住み慣れた地域で、その人らしい生活」を続けられるように支える在宅ケアです。
担当する看護師は専門の研修や精神科領域での経験を有します。

日常生活の維持 ― 「衣・食・住」 のサポート
課題 | よく見られる状態 | 看護師が行う支援例 |
---|---|---|
セルフケア不足 | 入浴や整容ができない | 入浴・整容介助 |
生活リズムの乱れ | 昼夜逆転・食欲不振・睡眠障害 | 起床・就寝時間の調整、食事・水分摂取の助言、環境調節など |
陰性症状による意欲低下 | 身支度や片付けができない/活動量の低下 | 家事の分割タスク化、達成感を得る声かけ、歩行訓練、転倒予防など |
陽性症状による軽躁状態 | 無駄にお金を浪費してしまう | 金銭管理のサポート |
ねらい: 生活リズムを整え、再発・悪化のリスクを下げる。

生活技能の獲得・拡大 ― 「地域で暮らす力」 の底上げ
- 家事・買い物トレーニング:一緒に献立を考え、買い物に同行
- 金銭管理:予算表を作り、記帳アプリを導入
- 問題解決スキル:ロールプレイで対人場面を練習
ねらい: 自信を回復し「できた体験」を積み重ねることで、社会参加を継続できる土台を作る。

対人関係の維持・構築 ― 「ひとりにならない」 ために
- 利用者本人との対話:毎回の訪問で小さな兆候を見逃さない。
- コミュニケーション練習:現実場面に即したコミュニケーションの支援。SST(ソーシャルスキルトレーニング)の活用。
- そっと寄り添う外出サポート:無理なく外出を促し、在宅から一歩踏み出す安心感をお届け。

家族関係の調整
- 家族にも寄り添い傾聴支援:家族の気持ちに真摯に耳を傾け、ストレスを和らげます。
- 家族会の紹介や介護負担を分散する仕組み提案
- 危機時の合意形成:ご本人・家族・主治医で対応方針を共有

精神症状の悪化防止・再発予防
具体策 | 内容 |
---|---|
服薬アドヒアランス | 服薬カレンダー・服薬BOXの活用、リフィル連携 |
副作用・症状モニタリング | バイタルサインの測定、睡眠・食事・休息・活動状況などの記録 |
早期連絡体制 | 異変時は主治医へ経過報告 |

ケアの連携 ― チームで守る安全網
- 主治医の訪問診療・外来
- OTによる作業活動:料理・園芸・アートなど
- 相談支援専門員・保健師:サービス調整、計画相談支援
- ホームヘルパー・就労支援事業所:生活援助・社会復帰
ねらい: 情報共有を徹底し、緊急時でも「誰かが必ずつながる」状態を維持。

社会資源の活用サポート
カテゴリ | 主な制度・サービス | 支援内容 |
---|---|---|
医療費 | 自立支援医療・高額療養費 | 申請書類記入サポート、更新時期のリマインド |
生活 | 障害年金・精神障害者保健福祉手帳 | 必要書類の整備、医師への診断書依頼調整 |
住まい | グループホーム・地域定着支援 | 見学同行、入居後の定着フォロー |
就労 | 就労移行/継続支援、ハローワーク | 求職活動の同行、職場定着後のフォローアップ |

まとめ
- 包括的サポート:日常生活・対人関係・医療管理・社会資源の四本柱で再発を防ぎながら自立を支援。
- 多職種連携:看護師を起点にOT、PSW、主治医、行政が一体化することで安心のセーフティネットを構築。
- 「できる」体験の積み重ねが社会参加とQOL向上の鍵。
在宅での暮らしを守る精神科訪問看護は、「医療」と「生活」をつなぐ最前線です。利用者ご本人とご家族が「その人らしい毎日」を取り戻せるよう、チームで伴走していきます。